「ホームページの制作会社って、何を基準に選べば良いですか?」
お客さまにサイトリニューアルのご相談をお受けする際、このような質問をされることがあります。
Web担当者は入れ替わりも激しく、コーポレートサイトなどは特に初心者が担当する方がありがちなパターンです。
デザインの良し悪しや価格は判断基準として思いつきますが、他の大事なポイントはどういった点でしょうか?
ここでは、ホームページ制作会社側から見たホームページ制作会社の選び方を解説します。
1.制作会社を選ぶ際に事前に必ず決めておくこと
新たにWeb制作会社を選定する際には、いくつかピックアップの上、比較検討することでしょう。
しかしながら、事前の準備ができていなければ、ベストなWeb制作会社は選べません。
まずはWeb制作会社のピックアップより先に必要な決定事項を解説します。
- ホームページをつくる目的
- ホームページのターゲット層
- 既存のホームページの改善点や課題
- ホームページの強みorアピールポイント
- 納品希望日
- 予算
- RFP(提案依頼書)にまとめましょう
ホームページをつくる目的
ホームページには企業についての理解の促進のほかブランディング、ステークホルダーとのコミュニケーションツールのような役割を持ちます。
尚、リニューアルを検討する場合は、さらにそれに付随して下記の内容が目的として挙げられます。
- 製品ページの充実により訴求力アップ
- サイトからの問い合わせを増やしたい
- 新規顧客の獲得
- 求人の応募者数の増加
- 更新が容易なサイトにしたい
目的が違うと目指すWebサイトの姿や注力するポイントが変化します。
ゴールが定まらないないと、提案の良し悪しの判断は難しくなります。
それどころか、サイトリニューアルに成果も見込めなくなってしまいます。目的は必ず明らかにしましょう。
ホームページのターゲット
誰に見てもらうのかも明確化しなければいけません。代表例は下記の3種類です。
- 求職者
- 自社の顧客(顕在顧客、潜在顧客、見込み顧客)
- 株主、投資家
顧客はBtoBの場合、企業の担当者、BtoCの場合は一般消費者とも捉えられます。
ターゲットが変わると優先するコンテンツやデザインも変化します。
主要なターゲット層も明らかにしましょう。
仮に、50代男性向けなのか、20代女性向けなのかでも、サイトのイメージはかなり変わります。理想はペルソナの作成後、性別、年齢層など、行動パターンやデモグラフィックなども定義されていると、よりフィットしたサイトになります。
既存のホームページの改善点や課題
目的にも関係することですが、改善したい点もしくは課題は明確にすることが必須です。
事前に明確にしておくことで、進行途中であれこれと要望が増えてプロジェクトがもつれるのを未然に防ぐことが可能になります。
また、制作後の振り返りの際も、改善点や事前に決めた課題が改善されているかを確かめることで成果があったか確認することも可能です。
ホームページは改修を積み重ね、PDCAを回してこそ最良の形に仕上がります。
「新しくしたい」「古い」に留まることなく、いくつもの視点から明確にしましょう。
サービスの強みorアピールポイント
ユーザーに知ってほしい会社自体の強みや自社のサービス・商品の特徴をしっかり把握していますか?
ここを整理して制作会社に発注するだけで、先方からあがってくる提案は良くなります。
自社のサービス・商品に精通しているのは、もちろん、そこで働く社員さんです。
制作会社サイドにそれを理解してもらうには、積極的に情報を与えなければいけません。まだ世に出していない場合であれば尚更です。
訴求ポイントがどこか認識がシェアされていれば、方向性がぶれることも減ります。キチンと社内外での情報共有をしながら打ち合わせをしていきましょう。
納品希望日
制作会社側において、納期はかなり大切なポイントになります。
いくつもの制作を同時進行するので、リソースの状況で制作可能か検討する必要があるからです。
短い納期だと特急料金が発生したり、制作会社から十分とはいえないクオリティで上がってきてしまいます。
制作会社側も、クオリティを下げるのは避けたいところです。
納期はできるだけ余裕をもった設定をおすすめします。
逆に、「納期がない」のも、実は制作会社にとって不安要素です。
本当に、いつでもよければ、あまり問題ありませんが、「社内で検討できてない」場合は、後々時期を早める交渉の発生により、スケジュール通りの進行が難しくなることが心配されます。
納期はできるだけ、希望でもよいので設定しておきましょう。
予算
絶対に必須ではないですが、予算もなるべく決めていた方が良いです。
制作会社のコストはクリエイティブスタッフやディレクターの稼働時間で決まることが大半です。
従って、予算が高いとページ数多めのホームページ制作や凝ったものもでき、予算が低いとその予算内でいかに良いものにするかやりくりしなければなりません。
予算はホームページの仕様に密接に関係します。
相場が分からない方もいるかもしれませんが、予算はなるべく提示することをオススメします。
RFP(提案依頼書)にまとめましょう
以上のような情報をまとめた資料は、RFP(提案依頼書)と呼ばれます。
RFPの記載内容は、制作会社に提案してほしいことやサーバー構成も含まれており、資料として提出することで受発注者間で認識を共有が可能になります。
打ち合わせ時に口頭での共有もできますが、資料化により伝え漏れもなく、社内でのすり合わせ時にも参照できて使い勝手が良いです。
初めて書く方は難しく感じるかもしれませんが、よろしければ是非試してみてください。
2.ホームページ制作会社の分類
依頼する側で始めに決めておくべきことが揃っても、まだ十分とはいえません。
まだ、知るべきことがあります。それが、ホームページ制作会社の分類です。
今回はスキルと組織体制の2軸での分類にて紹介します。
スキル別の制作会社の傾向
制作会社はざっくりスキル別の強みごとに分類すると、下記の3通りに分かれます。
- デザインが強みの制作会社
- システムが強みの制作会社
- 総合力が強みの制作会社
デザインが強みの制作会社
- デザインが強みの制作会社の場合、魅力的なホームページの印象にすることが得意です。
最新技術やトレンドの感度が高いこともあり、ブランドイメージを上手く表現してもらえます。
デザインに強くない制作会社だと、参考に提示したサイトとほとんど同じデザインが上がったり、「明らかにダメではないが、そこまでしっくりこない…」のようなデザインが上がりがちです。
アニメーションや動きを多く取り入れたい場合や見せ方やデザインにこだわりたいのであればデザインに強い制作会社を探すのがオススメです。
システムが強みの制作会社
システムが強みの制作会社は、エンジニア主体で、ノウハウが蓄積されているので安心感があります。
ちなみに、システム開発にも一般的なCMSであったりECシステムなど得意分野が違うこともあるので、選定の際は確認が必須です。
システム開発の経験が浅い会社だと、要件定義が甘かったり、セキュリティが弱いこともあるので注意しなければいけません。
オリジナルのシステム構築や、基幹システム、他サービスとの連携が想定されるのであれば、システムが強みの制作会社を探すのがオススメです。
総合力が強みの制作会社
デザイン・システム共にバランスの良い制作会社も中に存在します。
- デザイン
- 設計
- コーディング(更新性の高い構築)
- システム
- SEO
など、ホームページ作成において熟考の必要な点はいろいろですが、その基本を押さえている会社であれば業界業種問わず、一定の品質を保って納品してもらえます。
このような総合力が強みの制作会社の多くは、一定の品質を保てるようにノウハウが蓄積&仕組み化されています。
多種多様な制作を依頼したい場合、ブランドを多数展開している場合、また、運用も含め、長いお付き合いを希望するのであれば、総合力が強みの制作会社を探すのがオススメです。
組織体制別の制作会社の傾向
組織体制は、大きく下記の2つに分かれます。
- 全て内製化済みの制作会社の傾向
- システムやデザインなど部分的に内製済みの制作会社の傾向
全て内製化済みの制作会社の傾向
システムやデザインを全て内製済みの制作会社は、制作スタッフ間で連携が取りやすい環境にて作業していることが想像できます。
同社内にてエンジニア、デザイナー、ディレクターが制作しているのです。
よって、スタッフ間のコミュニケーションも円滑で、対応にスピード感も出て、より高品質な制作ができます。
セキュリティにおいても、情報を外に持ち出さないため、情報漏洩のリスクがなくなります。
このような組織体制の会社には、突出したものよりかは、どちらかと言えば安定品質の制作物を提供する傾向にあります。
システムやデザインなど部分的に内製済みの制作会社の傾向
システムやデザインのみ部分的に内製している制作会社ももちろん存在します。
システム、デザインにのみ特化しているため、専門分野は高品質になります。
制作の範囲以外の業務は外部に委託しているので、外部パートナーのスキルや、制作進行を行うプロジェクトリーダーのスキルに品質の良し悪しが依存する傾向にあります。
また、セキュリティ面での対策をしているかも確認しましょう。
こういった組織体制の会社だと、職人気質な面もあり、強いこだわりの制作物を提供してくれるかもしれません。
3.制作会社の選び方のポイント
事前に企業側で決めることと、ホームページ制作会社の種類について理解できたかと思います。
では、次には選び方のポイントを解説します。
- 対面での打ち合わせが可能かどうか
- コミュニケーションに問題はないか
- 競合他社の実績の有無
- 制作会社の規模が希望の制作とマッチしそうかどうか
- しっかりした体制かどうか
- ツールを使用したプロジェクト管理が行われているか
- 運用のフォローはしっかりしているか
- Web集客の経験や知識があるか
- その制作会社自体のホームページが分かりやすいか
対面での打ち合わせが可能か否か
よく「対面での打ち合わせが可能か」という項目が挙げられますが、最近ではリモートワーカーが増えております。
打ち合わせの方法は直接、会社に訪問する方法だけではなくなると予想されます。
ただし、そのような変化の中でもWeb会議もしくは対面での打ち合わせが可能かは必ず注目しておくべきです。
もし仮に、ホームページで使いづらい点の説明の際に、口頭やメールだけで伝えられますか? 多分難しいと思います。
ホームページは平面的で変化のないコンテンツではありません。
「このアニメーションの動作が…」「このページに移った時に…」など、同じものを見て認識をすり合わせるのは大事なことです。
最初からメールのみで終わりそうな場合は注意が必要です。
コミュニケーションに問題はないか
以上のことにも関係しますが、一番注意すべき点はコミュニケーションです。
- 提案がない
- こちらのわからない専門用語を並べてくる
- 意図を汲み取らない
などが発生した場合、希望する成果物が出来上がりません。
また、例えば連絡が2日おきでしかとれない、なども今後緊急の対応が必要な場合に困ってしまいます。
実績や金額に関わらずやりにくさを感じたら見過ごさないよう注意しましょう。
競合他社の実績の有無
過去に同業種の制作経験があれば、その業界の説明を省けたり、業界の一般常識的なことなども加味して制作を頼めるのでやり取りがスムーズな可能性が高いです。
業界特有のポイントなどがある方であれば、競合他社の実績を持つ制作会社に頼めば安心できます。
あるいは、総合力のある制作会社の場合、業界問わず一定の品質の可能性もあるので、候補に検討してもよいかもしれません。
制作会社の規模が希望の制作とマッチしそうかどうか
一概には言えませんが、大規模企業と小さすぎる制作会社、小規模企業と大きすぎる制作会社の相性はそれほど良くありません。
100名超えの大きな制作会社の場合、単価が高くコストに見合わないかもしれないからです。
逆に10名以下の制作会社で数百ページ以上のホームページ制作は荷が重い状況が予想されます。
仮に小規模な制作会社でも高品質で制作する会社もあるのでこの限りではありませんが、頭の片隅に覚えておいてもらえれば、より優れた制作会社選びが期待できます。
しっかりした体制かどうか
上記と似ていますが、大半の制作会社は50名以下の小規模な会社です。
その限られた人員の中でいくつものホームページを毎日制作しています。
いくつものプロジェクトを安全に納品するには、体制づくりは欠かせません。
1つの職種に偏ることなく、アートディレクター、プロデューサー、システムエンジニアなど、各プロセスを指揮するポジションが組まれている体制の制作会社は高品質のものを納品してくれることが期待されます。
ツールを使用したプロジェクト管理が行われているか
制作に関わるのは、通常1人のスタッフとは限りません。
Aさんは製品ページ、Bさんは企業情報ページなど、時に複数スタッフが同時進行にてひとつのホームページ制作に取りかかっていることもあります。
そこで重要なのが、プロジェクト管理になってきます。
せっかく作成したデータが知らない間に上書きされたり、どれが最新か分からないと困りますよね。
それを防ぐプロジェクトツールがいろいろ開発されています。
ツールの使用により管理されている制作会社は制作上のトラブルが少ない傾向にあるので、安心して頼めます。
また、ツール上で各社やりとりできるものもあるので、プロジェクト関係者に一斉連絡ができ、コミュニケーションの円滑化も予想されます。
少し変わった視点になりますが、よろしければ確認してみると良いでしょう。
運用のフォローはしっかりしているか
ホームページは作って終わりではないです。
情報更新によるブラッシュアップをしてこそ集客力は向上します。
公開後もそのような保守運用をする制作会社かどうかは、大切なポイントです。
運用時に別会社に頼むことになれば、また1から全て説明する必要があり、担当者側の負担はかなり大きくなります。
事前にPDCAを回してくれる制作会社か確認しておくことをオススメします。
Web集客の経験や知識があるか
ホームページ公開後は、ユーザーに訪問してもらわなければ意味がありません。
流入数の増加でWeb上の収益アップをお考えの方であれば、どの手段で、どう流入を増やすかまで想定して制作してくれる制作会社を選びましょう。
その制作会社自体のホームページが分かりやすいか
掲載済みの制作実績を確認される方は多いでしょうが、それでも不十分です。
制作実績として掲載できる案件はごくわずかで、実は公表せず認知度の高い大手企業の制作も多く受注している、ということはザラにあります。
そこで注目してほしいのが、ホームページ全体です。
- 情報は十分に掲載されていますか?
- 古い印象はありませんでしたか?
- 素人が見ても分かりやすかったでしょうか?
- 定期的に更新されていますか?
どれだけ良いことを言っても、自身のホームページでそれを実現していなければ、説得力に欠けます。
本当に信頼しても良いか迷った際は、ぜひじっくりその会社のホームページを見ると良いでしょう。
4.デザイン重視で選ぶ場合の注意点
ここまで読まれて、「検討する項目が多すぎる!」とお思いの方もいるかと思います。
全く知らない業界のことを、ここまで難しく説明されたら、嫌になるかもしれません。
そこで、特に注意が必要な選び方をお教えします。
コンペの際に「デザイン重視で選ぶ」ことです。
ここまでお伝えしたように、見た目が良いだけでは、実際に使ったら使いにくかったり、集客を視野に入れていないこともあります。
それでは人気のない路地裏に店構えのみ豪華な店を構えるのと同じです。
流入は見込めないし、来ても何も買わないで帰ってしまいます。
堅実なデザインながらも、しっかりした設計で使い勝手のよいホームページは存在します。
また、平凡なホームページに見えても、しっかりユーザーを集めてCVさせているホームページも存在します。
デザインも重要ですが、当初の目的を達成しているかも見極めて選びましょう。
5.システム重視で選ぶ場合の注意点
一方で、システムにこだわりすぎて、デザインがイマイチの可能性もあります。内側の整備に注力し過ぎて見た目の整備まで行き届かないということです。
また、柔軟性に富む高品質なシステム構築ができても、本当にそこまで必要でしょうか?
運用を開始後、「規則が細かい」「機能を使いこなせない」などの声が多く、搭載機能の一部のみしか使わないことが発生しかねません。
また、高すぎるカスタマイズ性によってページの見た目にばらつきが出ることも、あり得ます。
ハイスペックも悪くないですが、必要なところに落ち着くことも重要です。
6.コンペは実施すべきか?
少しだけ番外編ですが、コンペについても触れていきます。
個人で商品を購入するのと違って、社内の総意を決める意味合いもありコンペの実施しなければいけない企業様もたくさんいらっしゃるかと思います。
本項ではコンペを実施すべきか決めあぐねている方へ、メリット&デメリットを簡単に解説します。
ホームページ制作コンペによるメリット
新規で1社のみに依頼した場合、「もっと他のデザインのアイデアはないか?」「本当に適正価格なのか?」など、不安に思うことがいろいろとあることでしょう。
そのような不安を払拭して、社内での合意の上で行えるのがコンペのメリットです。
プロジェクトチームの参加者もこれにより当事者意識を持ちやすい方もいらっしゃるかと思います。
ホームページ制作コンペによるデメリット
デメリットは、費用面です。
1社決め打ちではありませんので、ああでもない、こうでもないと協議の必要があります。その分、時間も労力もかかります。
そして制作会社側もあまりに参加企業数の多いコンペであれば、単純に受注確率の観点から本気度が落ちる可能性もあります。
何に時間と労力を割けば最良の成果がでるか、じっくりと検討が必要です。
7.目的と重視したい点を決め、総合的に選びましょう
制作会社の選び方に関して「良い制作会社と良い制作をするために」という観点から解説しました。大きなポイントは以下の3点です。
- 事前準備は事前にしっかりしておきましょう
- どのようなタイプの制作会社があるか知りましょう
- 複数の選定ポイントの中からしっかりチェックしましょう
ちなみに、当社の紹介になりますが、以下のような分類になります。
- 総合力が強みの制作会社(デザイン、システム、コーディング全て可能です)
- 従業員数60名以上、グループ全体120名
- 制作の全工程を内製化
- 大規模なホームページ制作経験もあり、ニーズに合わせた柔軟な対応が可能です
- 人と人の繋がりを大事にして、コミュニケーションを重視した制作を心がけます
当社では、ホームページのリニューアルや新規制作、採用サイト制作などの相談を随時受け付けております。お問い合わせお待ちしております。
評価比較シートを配布しています
ホームページ制作会社の選定でお悩みのお客さまに向けて、比較検討ができるシートを無料で配布しております。ぜひダウンロードしてご自由にお使いください。
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