経費は企業が活動するのに不可欠ですが、売上高と比較して経費の割合が大きいと利益が減ってしまいます。利益確保のために経費削減を検討しても、具体的な方法は無数にあり、何から行うべきか迷いがちです。
本記事では、これから着手できる経費削減の具体的な方法あるいは、経費削減においての禁物なことを解説します。
経費削減の必要性
企業の経費とは、企業の活動において発生する費用の総称を指します。具体的には下記の項目が該当します。
● 給料賃金
● 通信費
● 水道光熱費
● 接待交際費
● 旅費交通費
● 消耗品費
● 福利厚生費
● 減価償却費
以上の経費は一例にすぎず、まだほかにもあります。会社経営において経費削減が重要視される理由は、企業の利益に繋がるからです。
企業の利益を上げるためには、売上の向上、もしくは経費削減しか方法はありません。
売上は新製品開発、もしくは広告活動に注力することで伸ばせるかもしれませんが、必ずしも即効性があるわけではありません。一方で、経費削減はすぐにでも実行可能でスムーズに利益を向上させる方法です。
また、不要なコスト削減は、結果として就労環境の良質化や業務効率化などの効果も見込めます。
これらの観点から、経営陣や経営者は定期的に経費削減や経費の見直しを検討するとよいでしょう。
経費削減における基本的な考え方
経費削減に取り組む際には、大きな成果が見込めるポイントから経費削減を図っていくべきです。
使わない部屋の冷暖房や照明を消す、使用済み書類の裏紙をメモで再利用するなどの、些細な取り組みでは、大きな経費の削減効果はあまり見込めません。
会社全体で取り組む規模の経費削減であれば、経費への社員の意識改革も行えて大きな効果を期待できます。さらに、取り組みやすさを検討するのも大切で、簡単で、継続しやすい内容にするのも重要です。
また、経費削減が、社員にどのような影響を与えるかも考慮する必要があります。経費削減のやり方次第ですが、闇雲な実行では社員のモチベーションが下がることに直結します。
社員は企業を全体で把握していないので、経営陣が経費削減に注力している場合、企業の業績が悪いのかと不安に思う可能性も捨てきれません。
社員の経費削減へのモチベーション維持のためにも、経費削減に成功した部署に表彰や金銭面での報酬などを行い、経費削減を前向きに捉えられる雰囲気作りを心がけましょう。
経費削減の方法や内容を決めたら、どの程度まで経費を削減するか数値化しましょう。目標の数値が明確だと社内の意識が高まります。
また、トイレや廊下、オフィスの出入口付近などの社員が見る場所に数値を可視化しておくことで、社員の経費削減への興味・関心がより高まります。
やらない方が良い経費削減
経費削減で禁物なのが、社員のモチベーション低下につながる、下記のような経費削減を行うことです。
● 暑い時期なのに冷房に制限を設ける
● 賃料が安く古いビルに入居
● 従業員の福利厚生費を削減
以上の実行では一定の経費削減を見込むことはできます。しかし労働環境の悪化は従業員のモチベーションを下げるでしょう。
仮に、賃料を気にして、古いビルに入居すると、従業員のみならず取引先も、会社の業績への不安を抱くおそれがあります。
経費削減を実行する際は、従業員のモチベーション維持に必要な経費は、売上への割合が高くても現状維持がオススメです。
次に、サービスや商品の質を落として、顧客の満足度に影響する経費削減も禁物です。
● 原材料費や内容量の削減
● 人件費を減らすために人員や給与削減
● 従業員の研修費削減
以上の経費削減方法は、顧客の満足度に影響します。仮に、人件費を減らすべく人員削減の実行で、従業員の労働時間が伸びると商品の品質低下を招きかねません。
また、給与を削減すれば、大切なスキルを持つ人材流出に繋がります。
原材料費削減のために、品質の悪い原材料の使用や、内容量の減量などの原価を下げたりする行為は、商品の品質を落としてしまいます。
消費者は味や見た目の変化に繊細で、商品やサービスの品質が落ちると顧客離れに直結します。
社員に対して適切な研修をしない、もしくは研修費を削ってしまうと社員の質が落ち、顧客満足度を下げる恐れもあります。
経費削減により、売上が下がると本末転倒なので、顧客満足度に直結する経費は削減しないように注意が必要です。
最後に注意したいのが、経費削減はあくまで手段であり、目的ではありません。
経費削減は利益アップの1つの方法に過ぎないのです。
しかし、経営陣や経営者には、経費削減の達成にだけ焦点を絞ってしまい、従業員に高圧的な態度を取るケースが見受けられます。
経費削減を無理に実行させることは従業員のモチベーション低下に繋がってしまうので、避けましょう。
経費削減の具体的な4つの方法
今からでも取り入れやすい経費削減の事例に下記のような方法があります。
● 業務のペーパーレス化
● 消耗品代の見直し
● オフィス賃料や水道光熱費の見直し
● 人件費の見直し
それぞれ、次項より解説していきます。
業務のペーパーレス化を推進
業務のペーパーレス化は有名な経費削減方法です。会議資料や有給休暇の申請書などをペーパーレスにすると、手間や下記の経費の削減ができます。
● インク代
● 用紙代
● 書類の印刷作業
● メンテナンス費
● 綴じ・配布作業
例えば、業務報告を印刷して配布するのではなく、PDFファイルで共有したり、チャットツールで報告するなど、ITへの切り替えでペーパーレス化を推進可能です。
消耗品代の見直し
消耗品とは、ボールペンや付箋などの業務に必要な製品全般を指します。消耗品は業務に不可欠なのですが、業務内容や従業員の人数に見合わない数や種類を持て余しているケースがあります。
在庫過多の消耗品の発注数を抑えたり、今一度、消耗品の必要な数や種類の見直しをしましょう。
また、購入方法も不足のたびに購入するのではなく、まとめ買いや法人向けサイトの利用で経費を少しでも節約しましょう。
光熱水費やオフィス賃料の見直し
光熱水費、オフィス賃料、通信費などの固定費の見直しは経費削減の多大な効果を見込めます。
具体的には、下記のように見直しましょう。
● 通信費は安い通信プランあるいは安い通信会社を変更する
● 光熱水費は安い料金プランを検討する
● オフィス賃料は使用スペース及び賃貸契約を見直す、必要に応じて賃料引き下げ交渉や引っ越しをする
特に、オフィス賃料の見直しは従業員ではできない経費削減です。経営陣及び経営者が積極的に取り組む必要があります。
人件費の見直し
人件費には給与以外にも出張費や交通費なども含みます。業種によって例外はありますが、出張費や交通費などの人件費がかさむ場合は、削減の検討が必要です。
仮に、従業員の出張費用を抑えたい場合、業務の効率化を図るのも一つの方法です。
出張の頻度を減らして、遠方とのコミュケーションツールやシステムを採用し、業務フローやマニュアルを作成すれば業務の効率化が捗ります。
また、他社あるいは顧客との会議にテレワークだったりオンライン会議の活用で、移動する際の経費も削減できます。
経費削減案実行の流れ
経費削減実行には、何の経費削減を企業として着手するかを明らかにするべきです。その理由は、削減する経費によって、従業員の意識改革から社内の仕組みを見直すまで規模が異なるからです。
経費削減案実行の流れは下記のようになります。
● 現状の経費の把握
● 経費削減に取り組む方法を決定する
● 経費削減の目標を定める
● 経費削減案を実行する
● 経費削減案の効果を確認する
経費削減案実行にあたり、まず始めは現状の経費の把握が必要です。売上への経費の割合は何割か、最も大きい経費は何の項目なのか確認すれば、削減すべき経費が自ずとわかります。
削減すべき経費がわかったら、経費削減に取り組む方法と目標を決定します。
目標を数値として見える化をしておけば、従業員に対して経費削減の意識付けになります。
次に、経費削減案を実行したら、どれほどの効果を上げたかを確認します。
経費削減案が本当に効果を発揮しているのか、従業員のモチベーションが落ちていないか見直すのも大事です。
経費削減のまとめ
経費削減は会社の利益アップに役立ち、集中して取り組むことで効果が期待できます。
大きな成果が見込めるところから経費削減すべきですが、顧客の満足度や社員のモチベーションを下げるような経費削減は禁物です。業務のペーパーレス化、 消耗品代の見直し、 オフィス賃料や水道光熱費の見直し、人件費の見直しなどを経営陣や経営者が主体に動き、従業員に高い意識を持ってもらい経費を削減することで売上を増やすことにも活かしていきましょう。
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