住宅業界の動きや現在の状況、ランキング&シェアなどを調査しています。データは2021-2022年。住宅業界の過去の業界規模の推移をはじめとする、2021年の新設住宅着工戸数、売上高ランキングと各社の活動の内容などを紹介しています。
住宅業界(2021-2022年)
住宅業界の過去の業界規模の推移に着目すると、2019年までは増えている傾向にありましたが、2020年には減ってしまい、2021年には再度増加に転じています。
住宅業界の動向と現状(2021-2022年)
住宅業界の現状:5.0%の増加を記録 高騰するマンションから流入も2021年の新設住宅着工戸数は前年比5.0%増の856,484戸でした。5年ぶりの増加となりましたが、2年連続で90万戸を割り込みました。新設住宅のうち戸建住宅(持家)は前年比9.4%増の285,575戸でした。こちらも前年から増加に転じています。
新設住宅着工戸数の推移(出所:国土交通省、グラフは業界動向サーチが作成)
首都圏を始めとしたマンション価格の高騰で戸建て住宅が注目を集めています。マンションの価格が釣りあがりすぎているため、戸建て住宅の方が割安と思われ、マンションから戸建てに需要が流出し始めているのが近年の特徴です。
また、コロナ禍における感染予防に対する意識の向上によって、戸建て住宅への注目が集まっています。
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また、最近の住宅業界では、2017から18年に異業種による住宅メーカーの買収が相次いで起こりました。トヨタ自動車を親会社に持っている「トヨタホーム」、パナソニックやヤマダ電機が完全子会社化や連結化を行うなど、住宅業界に他業種が参入してきています。
また、大手の住宅企業もゼネコンとの資本業務提携を積極的に行い、商業施設と住宅地が一体化した施設の開発を実施しています。
住宅業界大手5社の2021年(2022年3月決算)の売上高は、大和ハウス工業(戸建住宅事業)が前年比7.6%の増加、積水ハウス5.8%の増加、オープンハウスは40.7%の増加、住友林業が60.5%増加、飯田グループHD(戸建分譲事業)が同4.8%の減少でした。5社中4社が前年を上回りました。
※は住宅事業の売上高。2021年の住宅業界売上高ランキングに注目すると、トップを独走するのが大和ハウス工業、続いて積水ハウス、飯田グループHD、住友林業、旭化成と続きます。住宅業界でトップの大和ハウス工業は、国内のみならず海外でも住宅事業を展開しており、今後も需要の見込みがある米国に進出しています。
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加速する海外展開 米国、豪州、アジア等に進出
近年、業績がいまひとつな住宅メーカ各社は、海外事業に力を注いでいます。欧米などの先進国のみでなく、東南アジアなどの新興国にも進出しています。戸建てはもちろんマンションやビル、物流倉庫の建設、賃貸事業、都市開発なども実施しています。
大和ハウスは、米国や豪州、東南アジアに進出。アジアではジャカルタの南東部の都市開発やミャンマーの大規模複合開発事業、ベトナムの賃貸事業やホテルサービスを両取りしたサービスアパートメントに手を付けています。また、ヤンゴン市の一部地区の鉄道整備事業を受注し、オーストラリアでの大規模住宅地開発を実施し、アメリカではミレニアル世代向け都市型賃貸住宅開発事業、追加して2021年にはテキサス州で戸建住宅事業を展開するキャッスルロック社を子会社化しました。
積水ハウスは、豪州、米国、中国、シンガポールの4か国で展開し、海外進出は成長戦略の4本目の要となる事業。2019年5月にはイギリスの住宅事業へ参入。米国では住宅販売事業に参入し、豪州では木造住宅「シャーウッド」の建売に集中させました。中国やシンガポールでは高級大型マンション、分譲マンションや低層タウンハウスなどを開発に着手しています。
飯田グループHDは、インドネシア、ロシア、米国、フィリピンなどで事業を展開しています。ロシアでは木造住宅の建設やサービスアパートメント事業に力を入れ、インドネシアでは戸建住宅事業を進行させています。同社は2022年1月にロシアの木材調達企業を買収しましたが、ロシアによるウクライナ進行を受けて、ロシア事業をしばらくの間継続することを2022年5月に公表しています。
いずれも大手ハウスメーカーは海外展開を強化しており、こうした傾向は続いていくと予想されます。
市場縮小を視野に入れ「非住宅分野」に注力 リフォームはペースダウン
国内は少子高齢化による人口減少で世帯数は減っています。国内の住宅市場が縮小してしまう中で、大手各社は「非住宅分野」の事業強化を進行しています。
ハウスメーカー各社は建築部材の開発推進、サービス付き高齢者向け住宅やオフィスビル、複合施設と住宅一体化型施設の建設などに着手しています。一部地域では国による高層木造建築の整備が進められており、大手の中高層ビルの建設が開始されました。
飯田グループHDは世界で初めての、二酸化炭素を活用した人工光合成ハウス(太陽光エネルギーから水素を作成し、発電給湯を行う技術)の実証実験を宮古島で実施しています。
2022年現在、すでに住宅数は総世帯数を上回っています。人口減少が進行している国内では住宅需要の低迷は必然的なうえに、空き家はますます増加傾向にあります。国内では新築の人気が強く、中古住宅の需要が少ないため、国は改修市場拡大をサポートしています。大手住宅メーカーも売買を力添えするなど対策をしていますが、見込んでいたリフォーム需要は低迷しています。
住宅業界 ランキング&シェア
住宅業界の売上高ランキング&シェアをはじめとする、純利益、利益率、総資産、従業員数、勤続年数、平均年収などをランキング形式でまとめました。各種ランキングを比べることで住宅市場のシェアや現状、動きを知ることが可能です。
住宅業界 売上高&シェアランキング(2021年-2022年)
※旭化成、積水化学工業は住宅事業の売上高です。シェアとは住宅業界全体に対する各企業の売上高が占める割合です。シェアを比べることで住宅市場における各企業の占有率を知ることができます。矢印は対前年比の増減を表しています。下記のランキングをクリックするとそれぞれ住宅業界の詳細ランキングページに飛ぶことができます。
関連リンク
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住宅業界 対象企業一覧
大和ハウス工業、積水ハウス、飯田グループHD、住友林業、旭化成、オープンハウス、積水化学工業、一条工務店、ミサワホーム、パナソニックホームズ、ポラス、三井ホーム、タマホーム、ケイアイスター不動産、フジ住宅、三栄建築設計、ヒノキヤグループ、ヤマダホームズ、ウエストHD、サンヨーホームズ、ファースト住建、日本ハウスHD、土屋HD、ミサワホーム中国、新昭和、アグレ都市デザイン、アールシーコア、KHC、フォーライフ、LibWorkなどの計31社
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