税理士を選ぶポイント

経営いろは

事業を行うにあたり、税理士は長く付き合っていくビジネスパートナーともいえる存在です。良い税理士とのマッチングが会社を成長させるとも言えるほどなので、それだけ税理士選びは入念に行わなければなりません。

ここでは、税理士の選定基準や選び方のポイント、依頼可能な業務の他、税理士を探し方などについても解説します。

税理士の選択基準を決める

税理士は相性、費用、依頼可能な業務内容など、いろいろなポイントで選ぶことができます。

しかし、相性や費用などは実際に頼まないとわからないものです。従って、税理士を選ぶ前に、その選択基準を明確にしておくと、税理士探しが効率的に進みます。具体的には、以下のような条件の検討が望ましいでしょう。

税理士事務所の所在地

1つ目は、依頼先の事務所の所在地です。事務所が近所ならば、顔を合わせてすぐに、相談が可能になります。顧問契約を結ぶのであれば、双方のオフィスが近いと定期的な打ち合わせが捗ります。それに加えて、自社に役立つ信用金庫や地方銀行、補助金や助成金など地域性の高い情報が入手しやすいメリットがあります。

ただし、近年では税理士との打ち合わせをwebで行うことも定着してきました。連絡事項や書類の受け渡しもメールや郵送などを利用したり、記帳にオンラインツールを利用したりするなど、対面での打ち合わせなしでも問題ない環境も整いつつあります。「オンラインツールでのやりとりの方が効率が良い」「対面での頻繁な打ち合わせは不必要」と考えるのであれば、事務所の所在地にこだわる必要はないでしょう。

税理士の得意分野

税理士の得意分野も、選択基準に含まれます。

税理士にも個々に得手・不得手があり、「資金調達の支援を頼みたい」と思ったとしても、すべての税理士が対応しているとは限りません。また、会社設立が未経験の税理士に設立手続きを頼んでも、良いアドバイスは得られないかもしれません。

大半の税理士事務所のWebサイトに、税理士の得意ジャンルが掲載されています。税理士の実績や得意ジャンルをチェックしたうえで、自社のニーズと一致する税理士を選ぶことが重要です。

税理士事務所の規模

税理士事務所の選び方として、規模も視野に入れましょう。税理士事務所の中でも、税理士が1人のみの個人事務所から、大人数の税理士が所属する税理士法人まで、その規模は大小さまざまです。小規模な事務所であれば、アットホームで気軽に相談しやすいメリットはあるものの、対応可能な範囲が限定されるかもしれません。

一方、複数人の税理士が所属する事務所であれば、経営相談をはじめとした広いニーズに応えられる可能性が高いといえます。それに加えて大規模な事務所の場合、国際税務やM&Aのような難しい案件でも適切なアドバイスがもらえます。

税理士の選び方のポイント

では、実際に税理士を選ぶ時には、どんな点を重視するべきでしょうか。失敗しない税理士の選び方のポイントを解説します。

自分と考え方や相性が合うか

まず、重視するポイントの1つに、考え方や相性が合うかという点があります。税理士選びは事業者にとって、ビジネスパートナー選びに等しい行為です。今後長く付き合っていくうえで、円滑にやりとりできるかを見定めることは重要なことです。

税理士への依頼を検討する前に、なるべく対面で会って、話しやすい相手か、考え方に大きな齟齬がないかという点を確認しましょう。「同じ目的でもフィーリングが異なる」「考え方が一致しない」場合には、これからの事業展開などの大事な相談をした際にも苦戦することが予想されます。

費用が明確か

顧問料などの費用が明確であるかも、重要なポイントです。税理士と顧問契約を結ぶ際、顧問料とは別で決算申告及び記帳代行など業務ごとに費用が設定されるのが一般的です。その他にも、訪問回数や会社の規模によっても費用が変動します。

費用と業務内容を確認せず依頼してしまい、後になって「費用は安いが、相談に応じてもらえない」「打ち合わせは別途料金」「追加料金が取られることを知らなかった」というトラブルに発展する事例もあります。税理士選びの際には、業務内容と費用の内訳を確認するのは必須です。

スピーディーに対応をしてくれるか

税理士選びの際には、対応のスピードも重視しましょう。「税金のことを質問をしたのに、いくら待っても返事がない」状況は、ストレスがたまるだけでなく、経営判断の遅れにも繋がります。税務署から税務調査の連絡があった際には、顧問税理士と連絡がつかないなどは論外です。

ちなみに、対応の早さは税理士事務所にメールや電話で問い合わせてみて、ある程度推し量れます。電話なら当日中、メールなら遅くなっても翌日中までに折り返し連絡がなければ、スピーディーにやりとりできない可能性があります。

自社の業界・業種への知識があるか

業界によっては、特有の慣例や決済、法規制などがあることも珍しくありません。税理士に自社の業界についての知見がないと、アドバイスの内容がずれたり、効果的な節税ができない場合もあります。

税理士に依頼する前に、担当経験のある業種・業界などをチェックして、自社の業界についての理解があるかを調べておきましょう。

税理士に依頼できる業務とは何か

税理士選びにおいては、依頼内容を明らかにするのも重要です。税理士に何を依頼するかによって、費用や相談内容なども変わるので、必要としていることや困っていることをできる限り把握してから、税理士への依頼を検討しなければいけません。

依頼内容のリストアップが難しいのであれば、目的の整理のためにも、まず税理士に相談してみるのも良いかも知れません。

税理士に依頼できる主な業務は以下の通りです。

  • 経理・税務申告業務
  • 記帳代行(会計ソフト入力や記帳指導)
  • 経理代行(請求書発行や振込業務など)
  • 自計化支援(経理業務を自社で行うための支援)
  • 給与計算(給与計算や年末調整など)
  • 決算申告業務
  • 税務調査立ち会い

経営サポート

  • 節税対策
  • 税務相談
  • 資金繰りやキャッシュフロー計画の改善
  • 会社設立や事業承継、M&A支援など
  • 経営計画の策定

税理士の探し方

税理士への依頼内容を明確にしたら、税理士を実際に探す必要があります。税理士を探す方法には、以下の2通りの方法が存在します。

自分で探す

税理士を探す手段として、インターネット検索など、自力で税理士事務所を探すのがまず挙げられます。

税理士事務所の所在地及び得意ジャンルなどをもとに検索をすれば、自社の目的やニーズに沿った税理士事務所を探せるでしょう。ただし、Webサイトに掲載されている情報の真偽は、実際に会ってみないことにはわかりせん。

あるいは「税理士紹介サイト」を使うという手もあります。

税理士紹介サイトとは、税理士を探す方と税理士事務所のマッチングをするWebサービスです。税理士紹介サイト利用の際には、どんな企業が運営しているかを確認しましょう。運営会社が税理士業務に慣れていなければ、要望に沿ったスムーズな紹介が受けられないおそれもあります。

知人や銀行から紹介してもらう

取引先の銀行や知人から税理士を紹介してもらうことも、税理士選びでありがちなケースです。

紹介してもらう場合は、その税理士事務所の評価を聞いたうえで選べるので、自分で探すよりも安心感が得られます。事務所によっては、紹介で顧問契約をしたら、初月顧問料の割引やキャッシュバックなどの特典がもらえることもあります。

信頼できる税理士と会社を成長させよう

税理士を選ぶ際には、得意分野や相性、対応の早さなど、色々な面からの検討が必要です。単純に「値段が安いから」というだけで顧問契約を結ぶと、後で「こんなはずではなかった」と後悔しかねません。

良い税理士とのマッチングは、会社成長の第一歩と言っても過言ではありません。

信頼しあえる税理士をしっかりと見定めてサポートしてもらいましょう。

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